2018年12月18日火曜日

番外の番外:別件で入院中 視点がかわると・・(ちょっと高いところからみた)

別件で入院中だ(った)

「別件」とはなにか?「本件」とはなにか?といわれてもそれは私のプライバシー。犯罪で捕まっているわけではない(苦笑)。とにかくしばらく入院しなければならない。


視点が変わる

 収容された部屋が(その病棟に余裕があるのか、気を使ってってくれたのか)個室。病院はネットで調べると標高80m位の位置にあり(背後は山)、さらに5階。窓も大きい北東向き、街を日の出から日の入りまで見渡すことが可能だ。私の家は多分標高10-20mでむきも違うが、普通の住宅。窓から見える「やま」といえば、街の南西に位置する、シンボルとしての500m程の山とその背後に連なる1000mほどの山々。子どものころからこれらの山を毎日見てきた。

 ところが突然の入院となって、標高も高いし病棟が5階、いままでと全く反対側から毎日街を見ている。標高が少し高いだけで街をこえ、平野の向こう端の山々がみえる。秋で空気が澄んでいるからだ。何という山か急に気になり、家から双眼鏡をもってきてもらったり、グーグルアースを拡大してみたり、マップをスクロールしてもわからない。この時期になると頂上付近に白く雪がつき、ちょっととんがっていたりすると有名な山でなくともなかなか格好がよい。
(結局、同じ街に同じような興味を持った人がいたようだ。ある高台に上って360度、見える山の写真を撮り、地図と合わせて名前とつけてくれたものがアップされている。おかげで120度すべて解決。小さなことでもちょっと嬉しい。おまけに望遠鏡とグーグルアースのおかげで気象庁と航空自衛隊のレーダー基地を3箇所もみつけてしまった)

大きな窓

 自覚症状がひどい時は、気にならなかったが、少し元気になって病棟をウロウロすることしか積極的な活動がなくなると、こんどはすることがないのでうっとおしい。それでも、それ以上に鬱的にならないでいられるのは「大きな窓」のお陰と思っている。街並みの向こう側には頂上が白くなった連山がみえる。手前は広ーい駐車場。ドクターヘリも飛んでくる。

 すこし左側(北東側)をみるとところどころにある高層マンションの間から風力発電の風車が10基くらいみえている。隣の街に建設されたものだ。回転しているもの、止まっているもの・・・・おいおい、とめるなよ!せっかく風が吹いているのに・・・・・「節電の呼び掛け」が出ているのに少しでも発電しろよ!!エーッツ、電力会社が買わない?って新聞に。

 とにかく「見方を変える」と見えるものが大きく変わることがわかる。毎日、何にも考えずにビルの合間から空をみて出勤。夕方になるとその反対方向に向かう、という生活だった。

天気予報 定期便の飛行機

 背後は少し大きな山なので、そちらからは風が来ないようで、雲の流れや高さがよくみえる。「雲が垂れこめる」という状況もここから見える。街の一部だけに建物が見えなくなるくらい暗い雲が垂れさがることもある。そのカーテンがたれ下がったような雲が街の中を移動していく。家に電話してみる「雨、ひどいか?」「うん、ひどい。犬が雨音に怖がっている」「そうか、雲が動いているからもう少ししたら、通り過ぎるようだ」と天気予報をしたりしている。最近起きている局所集中豪雨ってこんなことかとなっとくしたりする。私のいる市は比較的大きいので、キャパシテイがあるのかもしれない(35年くらい前に氾濫寸前になったことはある)。

 毎日みているといろんなものを見つける。街の端にある地方空港の離着陸のアプローチをみつけた。うん、今日は南側からの進入だな。風は北からか。おっ、定時より早いお帰りだ。北向きの離陸はそのまま北方に向かう場合と大きく左旋回して、入院している病院の上を通過して南に向かう便がある。雲があると頭の上をエンジン音だけが通り過ぎていく。

本を読むにも体力がいる

 私が乱読屋だと職場の一部におもわれているので、見舞いに来てくれた人はたいてい本を持ってくる。その種類がまったくバラバラで「そんなふうに見られていたのか?」と思ってしまう。わたしだって「読書傾向」はあるのだけど。妻は自宅から推理小説を10冊くらい。私は長期の入院などしたことがなかったので、まあ本でもたくさん読んでやろうと甘く考えていた。ところが、最初の3日くらいを過ぎると、倦怠感がひどく、横になってもつらく、読書どころでなくなった。おまけに夜間も目が覚めてしまう。この時期は推理小説を読むのも体力がいることが分かった。せっかく医学書店のおじさんに届けてもらった翻訳書のマニュアルや絶版になったHFの本をメルカリで買ったりしていたのに全く予定が崩れた。

 合計3ヶ月くらいの病欠のあと復帰した。みな気を使っているのか、役に立たないとバレたのか(苦笑)やさしい扱いだった。感謝、感謝。






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